COCOCREA 技術選定ガイド

技術選定ガイド

何を使うか、迷ったら上から辿る

Web案件で「フロント・バックエンド・ホスティング」を決めるための判断フロー。上の質問から順に、当てはまったら右へ。

1 | 作るものの構成を決める

上から順に。「はい」なら右の結論へ、「いいえ」なら下の質問へ。複数当てはまることもある(例:SEOも鍵処理も要る)。

Q1
データもログインも無い、ただの紹介ページ?

投稿・会員・マイページ・予約など、あとから読み書きする情報が「無い」

いいえ(データが要る)↓ Q2へ
はい
静的HTML だけ
データ無しの紹介ページ・LP。ホスティングに置くだけ
Q2
Supabaseのような “BaaS” で足りる?

データの読み書き+ログイン+RLS(アクセス制御)だけで守れる

いいえ(もっと要る)↓ Q3へ
はい
静的HTML / SPA + Supabase
ブラウザから直接 supabase-js を叩く構成(サーバー不要)。例:つるみ100年の声
Q3
秘密の鍵を使うサーバー処理が要る?

AI呼び出し・決済・メール送信・外部からのWebhook受け取り など

いいえ ↓ Q4へ
はい
+ サーバーレス関数
Vercel Functions / Cloudflare Workers。例:LINE bot(Webhook)
Q4
検索やSNSで見つけてほしい?

記事・メディア・LP・商品ページ。GoogleのSEOやSNSのOGP画像が要る

いいえ ↓ Q5へ
はい
+ SSR / 静的生成
Astro / Next.js など。例:これつるHP・各種LP
Q5
ページが多く、機能も複雑な中〜大規模?

SSRも関数もルーティングも一式まとめて管理したい

いいえ ↓ 下の結論へ
はい
Next.js 等のフレームワーク
全部を1つの枠組みに。小規模には過剰になりがち
迷わなければ → 静的HTML + Supabase で十分
今のcococreaの案件は、ほとんどがこの一番シンプルな箱で足りる

2 | どこに置くか(ホスティング)

フロントの構成が決まったら、置き場所を選ぶ。分かれ目は「サーバー処理の有無」と「商用・バズ耐性」。

H1
商用案件、または注目が集まる可能性がある?

クライアントからお金をもらう/バズって一気にアクセスが来るかも

いいえ(個人・非商用・慣れ優先)→ Vercel でもOK
はい
Cloudflare Pages / Vercel Pro
静的中心なら Cloudflare(無料・商用OK・帯域無制限)。Next.js等サーバー機能を使うなら Vercel Pro(月$20・商用OK)
避ける:Vercel無料(Hobby)=非商用限定なので商用本番はNG
H2
サーバーレス関数を使う?(Q3が「はい」だった)

鍵を隠す処理・Webhookの受け口が要る

いいえ(静的だけ)→ 上のH1で決めた方
はい
Vercel / Cloudflare どちらも可
関数が主役なら慣れてる方で。例:LINE bot は Vercel
もう一つの選択肢:Netlify — Cloudflare/Vercelと同じ「静的+関数」系。強みは フォーム機能が標準装備(バックエンド無しで問い合わせ・応募を受けられる)。LP・フォーム系サイトに向く。無料枠は帯域100GB/月・商用OK。
覚え方 → 静的=Cloudflare / Next.js=Vercel / フォーム重視=Netlify

3 | プロジェクトか、プロダクトか

機能は使ってる途中で必ず増える。だから最初に「これは終わる?育てる?」を見極める。ここで構成も予算も決まる。

終わりのある プロジェクト

例:つるみ100年の声(2027年の100周年で完結)

機能creep
起きにくい(終わりがある)
作り方
軽く・無料で(静的+Supabase)
ホスト
Cloudflare(¥0)
増えたら
関数を1個後付け

育てる プロダクト

例:bloom-wave(ずっと機能追加していく)

機能creep
必ず起きる(育てる前提)
作り方
最初からNext.js(有料前提)
ホスト
Vercel Pro(月¥3,000〜)
見積
高めに握る
上流提案の1問:「これは “終わるプロジェクト” ですか? “育てるサービス” ですか?」— 最初に聞けば、構成も予算も一発で決まる。

4 | いつ “有料” になるか(コスト境界線)

構成できることホスティング費
静的 + Supabase投稿・掲示板・フォーム・会員(ブラウザ側)¥0(Cloudflare無料・商用OK)+ドメイン代
フル Next.jsAI応答・通知メール・プッシュ・商用本番Vercel Pro 月$20(約¥3,000)+伸びたらSupabase Pro $25

※Vercelの無料枠(Hobby)は非商用限定。クライアント案件で本番に使うならPro必須=「Vercel=有料前提」でほぼ正しい。

よくある誤解:「個人データを扱う=Vercel/有料」ではない。 データの安全は SupabaseのRLS+認証設計 で決まる(ホスト非依存)。サーバー側cookie認証(@supabase/ssr)もCloudflareで動く。ホストは安全のためじゃなく “機能” で選ぶ。

5 | 切り替えはできる?(データは資産)

「軽く始めて後で困らない?」の答え。切り替えの種類で手間は全然違う。

切り替え手間
ホストだけ替える(静的 CF↔Vercel)◎ 一瞬 同じファイルを別ホストに
機能を1個後付け(AI・メール)○ 軽い 関数を1個足すだけ・移設不要
入口URLの向き先を替える(転送先)◎ 一瞬 QR・ステッカーは不変
静的 → フル Next.js に作り直し△ 重い フロントは作り直し・データは引き継ぎ
データの引っ越し(Supabase)○ 可能 ただのpostgres・エクスポート可
原則:データは “資産”、フロントは “着せ替えできる服”。 データさえSupabaseで守られていれば、見た目も構成も後から替えられる。だから 軽く始めるのは低リスク。唯一重い切り替え=「静的→フルNext.js作り直し」だけを最初に見極める。

6 | 覚え方(ツボ)

鍵を隠したい
→ サーバーレス関数(AI・決済・メール・Webhook)
Googleに拾われたい
→ SSR / 静的生成(SEO・OGP)
両方+大規模
→ Next.js 等でまとめる
Supabaseで足りる小アプリ
→ 何も足さない(静的+Supabase)
同じ「React+Supabase」でも
ブラウザ直(supabase-js)=Cloudflare可 / Next.jsでサーバー認証(@supabase/ssr)=Vercel
構成が置き場所を決める
「どこに置くか」より先に「どう作るか」。Next.js等はロックインではないが、純正ホストが一番ラク

7 | 実例で見る:bloom と tsurumi はなぜ違う

同じ「Web + Supabase」でも、案件の性格と機能で、構成もホストも分かれる。

つるみ100年の声

終わるプロジェクト(100周年)

機能
投稿・掲示板・折り鶴(サーバー処理なし)
構成
静的+supabase-js(ブラウザ直)
ホスト
Cloudflare(¥0)
将来
ラジオアプリ化するならVercelへ作り直し(声データ引き継ぎ)

bloom-wave

育てるプロダクト

機能
AI応答・メール・プッシュ・Server Actions
構成
Next.js 16 + @supabase/ssr(サーバー側)
ホスト
Vercel(純正・Pro)
なぜ
Node処理・秘密鍵・SSRが要る=Vercelが自然

8 | cococrea 案件マップ

案件性格構成置き場所
つるみ100年の声投稿・掲示板アプリ静的+SupabaseCloudflare
bloom-waveNext.js(SSR認証)Next.js+@supabase/ssrVercel(純正)
LINE bot(クマ等)Webhook・AI応答+サーバーレス関数Vercel
これつる会館HP静的サイト(素のHTML)静的HTMLだけCloudflare(最適)
フォーム系(応募・問い合わせ)入力を受けるだけ静的+フォームNetlify(フォーム標準)
紹介ページ・LPデータなし静的HTMLだけどちらでも

cococrea 技術選定ガイド / 迷ったら「鍵=関数・検索=SSR・小さいアプリ=Supabaseだけ」。
構成が変わっても入口URLを固定にしておけば、置き場所は後から替えられる。